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無手勝流でも亜流はあるか [無手勝流]

昔、無手勝流という流儀が

あったそうな。どんな格闘技

か、剣技かは知らないが、その

発祥は塚原卜伝らしい。

小舟の上で決闘を申し込まれた

卜伝が船を陸につけて、そこで

やろうとか言って、相手を先に

陸へ上がらせて、すぐに竿を

さして小舟を陸から離した。

これが無手勝流(卜伝流)、

戦わずして勝つ、と言ったとか。

兵法の一種でもあろう。そこか

ら武器を持たず、平手で相手に

勝つ工夫を無手勝流と言われた

とも。

これは前もって用意していた

戦法ではなく、その場での思い

つきが大勢だろう。真剣勝負を

していた時代だから、その場を

生き抜く工夫は気持ちから怠ら

なかったのだろう。

なぜこの発想になったのかと

いうと、パソコンの前に坐った

からだ。書くためだが、その

準備はできていない。なので

逃げてばかりだ。なんやかや

理屈や小細工の出来事を並べ

ているうちに気がついたことを

書き連ねてゆくのだが、99.9%

失敗しない。なにか気がつく

ことはあるだろうから、それは

当然に見えるが、実際は飛び込み

営業のようなもので、売れるか

売れないかは、その時に出会った

相手とこちらの営業トーク次第。

相手の反応を予想した受け答えを

想定したトークを覚えているから、

営業マンには素人は敵わない。

この、書くというのは意識した

ことはなかったが、営業トークを

するのに似ている。ただそれは

決まったトーク、覚えればいい

トークがあるわけではないことだ。

誰でも書くことがすぐに浮かぶ

わけではないから、どうしても

花言葉とか、辞書からとか、誰

かの詩篇からとか1年くらい続け

られる題材を選んでくる。

それで5~6年は続けられる

かもしれない。

なにかそれなりにテーマを書く、

というのは4コマ漫画を毎日

連載するような大変さがある。

アイディアを毎日振り絞らなけ

ればならないからだ。ところが、

それをやっている漫画家は多く

いる。それが得意ということで

はないだろう。最初は苦労した

はずだ。うんうん唸ったかも

しれない。ところが、ある程度

続けるとなにかコツでもわかった

かのように、どうにかアイディア

が湧くものだ。これは偶然では

なくて、また才能でもなくて、

日々それについてアンテナ(神経)

を張り巡らしている、そういう

生活になるからだ。なんでもかん

でも漫画のネタにする思考回路が

出来上がり、それを無意識にも

溜め続ける。見るもの聞くものが

漫画のネタだと気づくのもこの頃

だ。そう、日常のことに気を配れば

ネタはどこにも転がっている。

でなければ毎日書けるものではない。

逆に僕らは日常の豊かな4コマの

ネタを見るようにはそこにあるもの

に気づけていないのかもしれない。

僕もこの年来には気づいていたが、

無意識になにかを考えていて、そう

いう時間を設けている日常だと知る

ことができた。今は毎日書く気には

なれないが、数年前は1日に数回

ブログを書きたいくらい、テーマが

浮かんだものだ。

集中というのは没頭することで、

書いているテーマに入り込んで、

周囲の状況は他人事になってしまう。

5,6年前には絶頂期だったろう、

朝になってもまだ書いていて、窓

の外を通勤の人が歩くようになっ

てから、もう終わろう、と終わら

せたものだ。4年前の詩を偶然

見たが、息の長い詩でこれは今は

書けないな、と思った。

今はうまく言えないが、方向が

少し変わって、人生や世界という

全般を扱いたいと思っているよう

だ。

そういうのが無手勝流の果てなの

だろう。自然の流れであって、自分

で決めるものではないようだ。


君よ、 知るや 

この正座に 打たれる

金槌の 雄叫びを 


なんだか意味のないことを書く

のが平気になっただけだ、と

言われても答えようがない。

詩って意味がなくてもいいじゃ

ない、と思っているのだろう、

ある部分。

直感もよくあるのは、なんでも

ない所から価値や景色のある

処まで貫いて、言葉を生むこと

だ。すれば、それを言葉に結晶

させるのが詩人といった処か。



風月は

さにもあれ こにもあれ 

にっちも さっちも 

あれ よ 忘るな 

盥(たらい) 叩いて 

百人の 一茶 ここにあり 

騒ぎ 五月蠅(うるさ)きも

旅の 醍醐味 ここに 

あり 

        :陽秋






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