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SAY、ハロー 朝 [朝]

昔の曲を聴くとどうして僕は

ここにいるんだ?と呟いてしま

うんだろう。

ジョンレノンが言ったように、

ビートルズは夢の中に居たんだ。

それは世界という現実が夢を

象(かたど)っていたからだ。

完成された曲から、今のように

ライブで他の歌手がカバーして

もこだわらずに聴いていられる

ようになったのは、進歩したとは

言えないが、いろいろな歌い方も

許せるようになったと思う。

こうしてこうでなきゃ、この声

でなきゃ、この歌い方でなきゃ

という枷が外れると、雑種の

動物園のように曖昧な世界に

出たことがわかる。

それは裏返しに自分の青春の

形を見る、ということでもある。

愛するということが、いかに

ふつうのことであったかに思い

至る。そして、こう思うように

なるとは想像もしなかったこと

に、サプライズのプレゼントを

もらったのではないかと考える

のだ。

現実であるからこそ人々が夢を

見るようになる、そこに音楽に

合わせて足踏みをして、手を打つ

という拍子を取る。

僕はその中でまるで膜があるよう

に夢に染まっていた。それは夢の

中からだったように、現実とは

隔絶していたとは気づかなかった。

ガラスの向こうの世界だとは考え

もしなかったわけだ。

向こうがあって、こちらがあると

思っているのだが、音楽と同じ

ように初めから和音が響いている

とは知りもしなかった。

アメリカナイズしていると同級の

誰かに言われ、とても驚いたもの

だ。それが自由の波の一派だった

のだが、そのまま自由の気風を

求めて考えを進めたもんだ。

誰かの自由な気分を真似して、

その気になっていただけなのだが、

それがポップ音楽という自由の

西洋文化の風だった。

それでも「学ぶ」という皮膚の

ように感じる意思も性質もあっ

た。大学へは自由を求め、4年間

のともかくも思索する時間が欲し

かった。そして、世界はひっくり

返った。無の世界に落ち込んだ。

気がついて、また2,3日後にまた

落ち込みそうになるのがわかり、

カーテンの模様の一枚の葉を見つ

めて、その周囲が何も見えなく

なり、それでも耐えて、やがて

瞳孔が戻るように同じ部屋にいる

自分を発見した。無は、意識しな

かったが、やはり恐怖だったのだ

ろう。経験しないものは恐れよう

がないのだ、知らないから。

これは10年後には疑問になった。

そして、それは恐怖が真に恐怖に

あるのではなく、恐怖とは実は

恐怖を恐れることにあると知る。

それは僕らの心の傷は本来つか

ないものだと知ることになる。

恐怖がなければ、不安も生まれ

ない。心の傷は自分が反射して

傷ついたと感じることから来て

いる。それは自分が認めたく

ないことを一様なショックとし

て心に刻みたいからのようだ。

それに気づかず、相手からつけ

られたかのように感じるが、

それは感情の反射によるもので、

僕らはその感情に弱い。受け止

めるだけでなく、傷の記憶とし

て、痛みを添える。当時から

そう思っていたが、そうではな

いかもしれない。うすい膜くら

いは自我が防御で用意した気も

する。その反動は人の気持ちを

無視することになるので、人間

関係で軋轢を生むことになる。

それでも自閉気味というのは

避けられずに、選択されるだろ

う。自分で鳥かごを作って、自分

でその中に入るようなものだ

から。そして、苦しみも悲しみも

遮断してしまうのだ。人はそれで

自分がメンタルで強くなったと

勘違いする。そう考えることも

あるだろう。

僕らは正解を求めて、身を正すの

が正義だくらいに考えるが、答え

を出すことと修身というのは別々

のものだと覚えていたほうがいい

と思える。

かつ丼の正解はそのレシピにある

だろうが、レシピは食えない。

食ってうまい味を覚えるのが修身

のマナーのようなものだろう。

こんな時にどうして自分は黄昏

(たそがれ)るのだろう、と思う

時の自分を眺めて、それから人生

の意味がやって来る。それまでは

未熟な自分という子供を幾人も心

に飼っているのかもしれない。



君は 

寂しがる ことは

ないんだ 

どこにもいない人間 なんて

詩の中にしか  いやしないよ 


ひとりで 坐っているつもりでも 

それは 誰かの 坐った

温かみの 残る場所だっ

たり する 


結局  僕らは

ひとりには なれない 

心は 黙っていても 

友や 憧れを 

そんな 自分の影を

つくって  君を 

慰める もの 


君は 愛する必要がある、

と 感じるようになる

いずれ 



ゆるくなる 


ゆるく 理解するようになり 

愛されたいとは 

考えなくなる 

なぜ 

こんなに 人を 

愛したいのか 

わからなくなる 

それは 君を 後押しする

ものが いるから 

だったら  もう 

生きる理由は 

探す理由も なくなり

生きようとする



それが ワンセット 

その ワンセットがあれば 

いくらでも 生きて行ける 

救われないことを 

恐れずに 



見知らぬ鳥が曇り空を背景にして

飛び去ったかと思うと、また現れ

て、長い尾を見せて翼を動かす。

そうして急に僕らは気づく。

こんな風にして音楽を楽しめた

ことはなかった、僕は世界の一員

になったのだ。

世界のハンバーガーを全部食べる

気でいるみたいだ。僕のような、

君のような、あなたのような、彼

のような、彼女のような、誰かの

ような、叫び声!?

ニセコの雨が 降るだろうか 

茶色の 滴(したた)る タワー 

電話の鳴る サンショウウオ 


君は 

OW NO!

もう 起きてるかい! 


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